こんにちは、流芳園(りゅうほうえん)です。
新年度が始まり、お茶にとっても新たな年の始まりとなりました。
新茶の時期が迫る中、もう一つのイベントといえば、茶摘み!
茶摘みは、日本が誇る伝統的なお茶文化の一つであり、
古くから重要な役割を果たしてきました。
今回、茶摘みについて詳しくご紹介していきます。
「茶摘みってそもそもどんなの?」
「上手な茶摘みの方法とは?」
「どこで体験できたりするの?」
今回はこういった疑問にお答えします。
☑本記事から分かること
・茶摘みの説明と、歴史
・茶摘みに必要な道具や、上手な摘み方
・茶摘みが体験できる場所
☑記事の信頼性
・緑茶発祥の地 宇治田原に店舗
・創業200余年の日本茶専門店
・農林水産大臣賞を複数回受賞
茶摘みについて知ってみよう!
まずは茶摘みがどういったものなのか、解説していきますね。
茶摘みとは何か?
茶の芽を一葉一葉、丁寧に手で摘むことでしか生まれな味わいがあることから、
大切な製茶技法のひとつです。
それに加え、宇治の茶業者にとっては5月の風物詩ともいえます。
茶摘みの歴史と、現在
「茶つみ」:文部省唱歌
夏も近づく 八十八夜 野にも山にも わかばがしげる
あれに見えるは 茶つみじゃないか あかねたすきに すげのかさ
ひよりつづきの 今日このごろを 心のどかに つみつつうたう
つめよつめつめ つまねばならぬ つまにゃ 日本の茶にならぬ
明治45年に文部省唱歌に制定されました。
新茶が近づくと業者間でも時々、口ずさんでおります。
明治から大正時代に輸出品として重宝されたお茶。
当時は、お茶摘みさんが手摘みをされた茶の葉を
お茶師が手もみし、生産されておりました。
お茶摘みさんは、女性で、お茶師さんは、男性でした。
流芳園のお茶摘みさんやお茶師さん達は、
地元の方々がその期間限定で働きに来てくださっていたと聞いています。
ここ流芳園の納屋でも1階がほいろ場(お茶を揉む場所)、
2階には茶選りさん(主に茎を取り除く作業を行う者)があり、
作業されていたと聞いております。
※流芳園の納屋は、現在もお店として、建屋はそのまま使用しています。
茶摘みの季節と時期
お茶の葉を摘む時期は、立春から88日、または100日目ぐらいから摘み始め、
摘み始めると10日ほどで終えてしまわなければならないといわれております。
茶摘みをやってみよう!
では、実際に茶摘みをやってみる上で知っておくべき情報や、
より楽しめる情報をご紹介します。
茶摘みに必要な道具
女性が、紺色の着物を着て、茜色のたすきをかけ、
頭部に手ぬぐいや菅笠(さががさ)をつけてお茶を摘む姿は、
新緑の茶畑に映えるあの景色は非常に美しく感じます。
茶摘み体験などに参加された際には、5月の日中は暑い日もあることから、
日焼けや水分補給の対策をしていただくと良いと思われます。
上手にお茶を摘む方法
■新芽、どの部分を摘む??
お茶摘みを始めて体験する時、どこからを摘めばいいのか分からないですよね。
まず茶園に入ったら、お茶の葉っぱをじっくり眺めたり、さわったりしてください。
すると、硬い葉と、柔らかい葉があります。その柔らかい葉が、新芽になります。
お茶摘みは、その新芽を摘みます。ちなみに、硬い葉は昨年の葉です。
【豆知識】※1芯2葉摘み
高級茶は、新芽の先から2葉ついた部分を摘み取ります。
今でも手摘み玉露などの高級茶は、
伝統の製法である手摘みでしか生まれない味わいがあることから、
新芽一葉一葉を丁寧に手で摘み取る方法を行います。
手摘み玉露
茶摘みが体験できる場所のご紹介
八十八夜の宇治茶を茶摘み(京都府茶業会議所)
茶摘み時期:5月初旬
日本緑茶発祥の町、宇治田原町で茶摘み(21お茶のふるさと塾)
茶摘み時期:5月中旬※衣装レンタル有
静岡県牧之原台地で茶摘み(ふじのくに茶の都ミュージアム)
茶摘み時期:4月下旬~5月上旬、6月下旬、8月上旬、9月下旬頃
お茶を飲んでみよう!
自分が摘んだお茶を実際に飲んでみましょう。
家で製茶する方法
緑茶のホットプレート手もみの所要時間は、60分程度です。
【準備物】
・新鮮な茶葉
・ホットプレート
・軍手 ※熱いのでつけます
・お皿
・菜箸(さいばし)
(清潔なござ・洗濯板があると便利)
まずは、摘んできた茶の葉40~50gをラップに包んでお皿に載せて、
1分30秒程度500wで電子レンジでチンします。
1分30秒ほどレンジで蒸すと茶の葉がシナっとするので、
ラップから外して、
キッチンペーパー(やござ)の上で
余分な水分を適度に取ります
(5分程度)。
ホットプレートにほぐしながら
茶の葉を載せ、
温度を100~150度に設定します。
状況に応じて焦げないように
気負つけて、
200~250度にしたりして、
調整していきます。
その後、ほぐしては、
揉むを繰り返す
(30分程度)。
■point:
軍手をつけたまま揉むと糸がお茶に絡みますが、
しかし素手だと熱いです。
最後にホットプレートから
茶葉を取り除きます。
この時、お茶の粉も
すべて取り除いてください。
そして、ホットプレートを
100~120度に調整し、
時々、撹拌(かくはん)しながら、
15~20分間乾燥します。
これで、ホットプレート手もみのお茶の出来上がりです。
おそらく、10グラム程度の茶葉ができていると思います。
淹れ方は、下の「【完全保存版】美味しい煎茶を淹れる方法を徹底解説」の
『美味しい煎茶の淹れ方』を参考にしてください。
味や香り
この新茶独特の香り、実は1~2か月で消えてしまう揮発性の香りでもあるのです。
新茶とは、「その年の一番最初に採れたお茶」のことです。
冬の間に養分をしっかり蓄えたお茶の木が、春になって新芽を出し、
その芽を摘みます製茶したお茶が新茶。
新茶そのもののフレッシュな香りを活かすため、
上級のお茶は新茶シーズン初めの時期に摘んだものをすぐに加工し、
荒茶(あらちゃ)という半製品の状態にして適切な温度で保管します。
そして1年間保存しつつ、必要な量を仕上げ加工し、
製品として販売するという流れです。
こうして一年中お茶が楽しめるのです。
「新茶」として出るのは4月~5月のこの時期に摘みたての茶葉を荒茶を仕上げ、
袋詰めして販売されているもの。
茶畑から直送状態の鮮度感が最高状態の贅沢品です。
上級煎茶は苦くない
■point:上級煎茶は苦くない
新茶、特に上級煎茶の新茶は、苦味も少なくまろやかなものが多いです。
それは春の日差しがそれほど強くないということも関係しています。
日光を浴びるとお茶の葉の中にカテキンという苦渋味の成分が増えるためです。
せっかくの新茶シーズンですので、
普段よりちょっと良いものを飲んでみるのも良いかもですね。
また、新茶独特のフレッシュな香りが味わえるうちに飲み切れるよう、
少量のパッケージで購入するのもおすすめ。
時間が経過すると茶葉は美味しくなくなるのか?
■point:時間が経過すると茶葉は美味しくなくなるのか?
そうではありません。
適切な温度・適切な状態で保管された茶葉は、
熟成が進んで角が取れ、まろやかで芳醇な味わいに変化すると言われています。
また、その日の体調や一般的に季節によっても人の味覚は変わるため、
夏頃まではフレッシュで爽やかな香りが求められる傾向がありますが、
秋そして冬になるにつれて、深い味わいやコクを求めるように変化します。
そんな時には新茶よりもっとまろやかで芳醇な味わい、
熟成されたお茶の出番がやってきます。
新茶と同じ時期に採れた茶葉ですが、保管することで丸みを帯びた蔵出し茶として、
深い味わいをお楽しみいただけます。
新茶の独特の香りは、この時期だけの特別なものです。
この時期に新茶をぜひ楽しんで下さいね!
流芳園でおすすめの新茶のご紹介!
流芳園で販売している新茶の商品をご紹介します。
オンラインで予約受付中ですので、
ぜひこの時期しか飲めない新茶のお味を楽しんでみてくださいね!
【新茶】煎茶 七代(ななだい)
新茶 京都産 『七代』は八代目 園主 谷口善右衛門 謹製。
京都山城地方の上質茶葉(上級煎茶)を使用、華やかな香りの余韻が清々しいお茶。
この季節ならではの本格的な宇治茶の香りを凝縮した逸品。
料金 :1,188円 / 50g(税込)
お届け時期:5月上旬から5月中旬頃
【新茶】煎茶 流芳園(りゅうほうえん)
新緑の香りを茶葉がそのまま包み込むように爽やかで、
良質な茶葉を厳選することで贅沢なコクを実現しています。
八十八夜(付近)に採れた茶葉で作っているため、
旬の味を堪能することができます。
老舗の名を刻んだ上級煎茶、是非ご堪能あれ。
料金 :1,620円 / 80g(税込)
お届け時期:5月上旬から5月中旬頃
【新茶】玉露 秘園の露(ひえんのつゆ)
手摘み玉露。
丁寧に茶葉を手摘みすることで生まれた、
柔らかみのある舌触りと上品な旨味が特徴。
玉露本来の深い甘みと余韻を感じていただけます。
料金 :3,240円 / 80g(税込)
お届け時期:5月下旬から6月上旬頃
まとめ
今回は茶摘みについてご紹介しました。
この時期でしか体験できない特別な行事であるため、
この記事を読んで興味を持っていただけたらぜひ体験いただけると嬉しいです。
自分で摘んだお茶を飲むのは特別な時間ですよ!
ぜひお試しあれ!