“萌芽宣言”  宇治新茶のシーズン到来を告げる春の風物詩とは?

こんにちは、流芳園(りゅうほうえん)です。

新年度が始まり、お茶にとっても新たな年の始まりとなりました。

春の訪れとともに新茶の時期がやってきましたが、
具体的にはいつから新茶のシーズンが開幕するのでしょうか?

今回は、その年の一番茶シーズンの訪れを宣言する
”萌芽宣言”について詳しくご紹介していきます。

「そもそも萌芽宣言って何?」
「萌芽宣言の時期は毎年変わるの?茶葉にどんな影響があるの?」
「萌芽宣言が行われると農家の方々は何かするの?」
今回はこういった疑問にお答えします。

本記事から分かること

 ・萌芽宣言の説明と歴史

 ・気候の変化が茶葉の生育に与える影響

 ・茶葉を守るための農家の方々の取り組み

記事の信頼性

流芳園の景観

・緑茶発祥の地 宇治田原に店舗

・創業200余年の日本茶専門店

・農林水産大臣賞を複数回受賞

萌芽宣言について知ってみよう!

新茶のシーズン到来を伝える、
春の風物詩”萌芽宣言”の時期がやってきました!

本稿では、萌芽について茶園の一年の流れにそってご案内します。

茶園の一年の流れ

茶園の一年とは、切り取る場所によってスタートの時期が変わるのですが、
京都府の場合は、一番茶(5月)、二番茶(6~7月)、
そして秋番茶(10~11月)を採取することでシーズンを終えます。

その後は回復期間を経て、休眠期間に入ります。
休眠期間である寒い時期には、
しっかりとエネルギーを蓄えて春を迎える準備をします。

そして、たっぷりと養分を蓄えた茶園から芽が出て、
それらが葉っぱになり摘採時期をむかえることで新茶シーズンへ突入していきます。

これが、茶園のサイクル。
茶の木は一年中、外気に触れ、その年の気候を味わいに表現してくれます。

我々、茶業者の間では、「お茶屋は毎年一年生だぞ」といわれ、
新たな年のお茶は未知の存在として、
お茶とかかわることにおごりが無いようにと、
肝に銘じて新茶シーズンを過ごすようにします。

萌芽とは何か?

京都府南部(主に宇治市・宇治田原町・和束町・南山城村など)では、
例年3月下旬~4月初旬になると、寒さに耐えてきたお茶の芽が力強く芽吹きます。

これを一番茶の萌芽といい、
その(一番茶の)お茶摘みは、萌芽から約30日後、
それが八十八夜(5月初旬)頃になります。

【豆知識】
二番茶は、一番茶を摘んだ45~50日後に摘採時期がやってきます。

春の風物詩 ”萌芽宣言”

萌芽宣言とは、包葉(ほうよう)の2倍の長さになった芽が、
全体の70%に達したときに萌芽宣言されます。

京都府では、
(京都府農林水産技術センターの)茶業研究所敷地内の茶園全体のおよそ70%で
新芽が一定程度成長すると萌芽宣言することになっています。

また、萌芽宣言や萌芽については、
世間一般としては新茶そして春を告げる風物詩であります。

しかし、茶農家にとっては、
気持ちの面も含めて製茶の準備が一層加速するメッセージ、
それに加え茶園管理の重要なバロメーターにもなっています。

萌芽宣言の時期は毎年変わるの?茶葉にどんな影響があるの?

では、実際に萌芽宣言の時期の変遷や、茶葉に対して与える影響をご紹介します。

萌芽宣言の時期の変遷

萌芽宣言の時期については、毎年変わります。
茶の木は、一年に換算すると365日間、外気の影響を受けて育っていますので、
やはりその後も気候の変動の影響を受け、
萌芽宣言後も良い状態で生育するように管理する必要があります。

近年は、温暖化の傾向があることから萌芽宣言も早まっています。

萌芽宣言の時期が茶葉に与える影響

春先は、気候が安定しておりませんので生まれたての若芽にとっては、
想定以上に厳しい気性条件になってしまうケースもあります。

そういったことから、萌芽宣言が早すぎることに関しては良いとはいえません。
ただし、おいしいお茶を栽培するためには、
適度なストレスは必要といわれております。

しかし、昔から環境や気象に関しては変化を続けており、
そんな中でも宇治茶を生産する茶農家の努力から、
技術が更新されることでハイクオリティな茶葉、
そして味わいを生み出してくれていると考えています。

【point】
先人から、「霧がでるような山間部のお茶が香りが良くておいしい」といわれるのは、
気候の変動からの適度なストレスが作用しているのかもしれません。
宇治茶の産地である京都府南部もですが、
実際に香りの良いおいしいと思えるお茶は、
この条件を満たしている産地がイメージできます。

萌芽宣言が行われると農家の方々は何かするの?

萌芽宣言は単なる春の風物詩だけではなくて、
農家の方々への注意喚起の意味合いも込められてるそうです。
では、萌芽宣言が行われた後の農家の方々の活動を観察してみましょう。

萌芽宣言は単なる春の風物詩ではない?

茶園は、生きているので常に動いています。

もちろん、茶農家にとって製茶の準備を始めるターニングポイントでもあります。

しかし、萌芽もお茶の栽培における過程の一つ、
萌芽の状況からもその後の茶園管理の目安にもしていきます。

例えば、被覆や芽出し肥えを入れるタイミングを
想定する基準としても参考にすることができます。

萌芽宣言後の農家の方々の活動

萌芽後には、芽が葉に育ちます。
若くやわらかい芽は、気候の変化に弱いことから、4月には凍害が懸念されます。

日々移り変わる気象から、
その時々に迅速な判断で対策しなければいけないことからも
凍害への気配りは欠かせません。

それから、被覆のタイミングはおいしいお茶をつくるのに大切な作業で、
遅れると葉っぱが硬くなりやすくなり、早すぎるとなかなか大きくなりません。

【豆知識】
茶畑、実は味わいの設計があります。
通年の茶園管理計画からその茶畑でできるお茶の味わいはある程度決まります。
わかりやすい例でいえば、手摘み玉露や上級煎茶などのハイクオリティな茶葉です。
手摘み玉露や上級煎茶は、肥培管理が違います。
施肥は、一度にたくさんの肥料を撒くのではなく、
一年間の肥料計画を行い、
求める味わいに応じて季節ごとに分けて行うように管理します。

萌芽宣言後の新茶

高品質な茶葉は、一番茶のみ作ります。

ということは、5月にお茶を摘んだ後からは、
次年度の新茶の為に回復とエネルギーの蓄積をはじめているといえます。

一年間、大地にたっぷりと溜め込まれた養分を吸い上げ、
満ちた状態の葉っぱを一葉一葉、丁寧に摘み取り、
そして、その年の葉っぱの状態に合わせて適切に製造することで
生まれてくる「季の恵み」、それが『新茶』です。

まだ生まれたての初々しい爽快な香りと舌の上え感じる余韻が非常に贅沢です。
この時期にしか体感できない新茶の特別な味わいをご堪能ください。

流芳園でおすすめの新茶のご紹介!

流芳園で販売している新茶の商品をご紹介します。

オンラインで予約受付中ですので、
ぜひこの時期しか飲めない新茶のお味を楽しんでみてくださいね!

【新茶】煎茶 七代(ななだい)

新茶 京都産 『七代』は八代目 園主 谷口善右衛門 謹製。
京都山城地方の上質茶葉を使用、華やかな香りの余韻が清々しいお茶。
この季節ならではの本格的な宇治茶の香りを凝縮した一品。

茶種:煎茶
料金:1,188円 / 50g(税込)~

七代の購入はこちらから

【新茶】煎茶 古都の香(ことのか)

新茶の煎茶 古都の香、特撰、流芳園

酔ってしまいそうな凝縮されたお茶の香りと、
柔らかな口当たり、舌に残る華やかな余韻が特徴。

質の高い茶葉を見極め厳選し、最適な仕上げを丁寧に施すことで出来上がった、
京都宇治の高級煎茶「古都の香」は流芳園の中で至高の逸品です。

茶種:煎茶
料金:2,160円 / 80g(税込)~

古都の香他の購入はこちらから

【新茶】オリジナル玉露 熱湯玉露(ねっとうぎょくろ)

流芳園オリジナル(ブレンド)玉露は、
「熱めのお湯でサッと淹れられ、お手軽で美味しい」が基本的なコンセプト。

「誰からも愛され飽きのこない爽快で味わいのあるお茶」をという、
想いを大切に茶づくりさせていただいています、一度お試しください。

茶種:オリジナル玉露
料金:648円 / 80g(税込)~

熱湯玉露他の購入はこちらから

【新茶】玉露 秘園の露(ひえんのつゆ)

新茶の玉露 秘園の露と甘露

丁寧に茶葉を手摘みすることで生まれた、
柔らかみのある舌触りと上品な旨味が特徴。
うっすらと乳白の濁りが感じられる水色は、
濃厚な旨味が凝縮されたもので玉露本来の深い甘みと余韻を感じていただけます。

茶種:玉露
料金:3,240円 / 80g(税込)~

秘園の露他の購入はこちらから

【新茶】素朴仕立 友白髪(ともしらが)

『白折』は玉露、『友白髪』は玉露とかぶせ茶をブレンド、
『稀頭』は煎茶を主原料としております。

また、白折は地元である京都・宇治田原産の玉露を厳選していることもあり、
素材の良さに自信があります、味は甘口。

茶種:素朴仕立(かりがね※茎茶)
料金:864円 / 80g(税込)~

友白髪他の購入はこちらから

まとめ

今回は萌芽宣言についてご紹介しました。

お茶のシーズン開幕を告げる春の風物詩ですので、
この記事を読んで興味を持っていただけたら嬉しいです。

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