こんにちは、流芳園(りゅうほうえん)です。
お茶には、一番茶・二番茶・三番茶といった収穫時期による違いが存在します。これらの違いは、お茶の味わいや品質、さらには用途にも大きく影響します。本記事では、それぞれの収穫タイミングの特徴や、お茶の生産者の考え方、加工や市場での位置づけについて詳しく解説します。
☑本記事から分かること
・お茶の収穫タイミングとその影響とは?
・お茶の収穫と市場に潜む戦略とは?
・流芳園オススメのお茶の紹介
☑記事の信頼性

・緑茶発祥の地 宇治田原に店舗
・創業200余年の日本茶専門店
・農林水産大臣賞を複数回受賞
お茶の収穫タイミングとその影響
お茶の栽培は、収穫するタイミングによって品質が大きく変わります。特に、一番茶・二番茶・三番茶という区分があり、それぞれの特性を理解することで、より深くお茶の世界を楽しむことができます。
一番茶の特徴と価値
一番茶は、春先に収穫される最初のお茶で、「新茶」とも呼ばれます。冬の間にしっかりと養分を蓄えた茶葉が芽吹くため、旨味や甘みが強く、特に高級茶として市場に出回ります。収穫は88夜(立春から88日目)の頃に行われることが多く、この時期に摘まれた茶葉は特に高品質とされ、ご贈答用新茶や高級煎茶として使用されています。
また、玉露や抹茶は、被覆管理(光合成を弱めて土についている期間を長くし、抹茶のような香りと旨味を作ることができる)されるので88夜の考えとは少し違います。しかし、玉露や(点てて飲む用の)抹茶に関しては、一番茶を使用します。
新茶について更に詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
美味しさ追求!こだわりの新茶 煎茶を飲んでみよう!
二番茶の役割と特徴
二番茶は、一番茶の収穫後、およそ45日ほど経過してから摘まれるお茶です。
イメージとしては、一番茶に比べると土壌の養分は少なく、気温が高くなる時期に生育するため、茶葉の成長が早くなり、土についている期間が短いことからも、その味わいはカテキン類の渋みが特徴となります。重ねてになりますが、じっくりと育つ一番茶に比べると養分は少ないですが、暖かい時期に(三番茶よりは)養分が残った状態で一気に育つため、上の芽は若く、下の芽は大きくなり、渋味の中にも旨味を感じるすっきりとした味わいになります。生産者の中には、一番茶の品質を保つために、あえて二番茶以降を収穫しない選択をする方もいます。また、逆に茶畑の力が強くなり過ぎてしまった際には、二番茶を(数年に一回程度)摘み取ることで樹勢をコントロールされる方もいらっしゃいます。
三番茶の位置づけと用途
三番茶は、さらに夏の暑い時期に収穫されるお茶で、養分が少なく、比較的硬い葉が多くなります。そのため、高級茶としての用途よりも、ブレンド用や加工用(ほうじ茶、ペットボトル飲料など)として使用されることが多いです。また、三番茶まで収穫すると、翌年の一番茶の品質に影響を与えるため、三番茶を採らない地域や農家も存在します。
ほうじ茶について更に詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ほうじ茶の奥深さ!浅煎りと深煎りについて知ってみよう!
お茶の収穫と市場に潜む戦略とは?
お茶は単に「早く摘めば美味しい」という単純な話ではありません。実際には、茶農家と茶師(ブレンダー)がそれぞれの哲学と戦略を持ちながら、お茶の品質や価格を決める戦略を日々練っています。ここでは、収穫タイミングがどのように市場に影響を与えるのかを、裏話も交えながらご紹介します。
農家の決断 〜一番茶か、それとも二番茶か?〜
「最高品質のお茶を作るには、一番茶だけを摘めばいいのでは?」そう思われがちですが、現実はそう単純ではありません。茶農家にとって、一番茶のみを摘むか、二番茶・三番茶まで収穫するかは大きな決断の一つです。
例えば、京都の宇治茶農家の多くは、「二番茶や三番茶を摘むと木が弱る」という理由で収穫を控えます。一方、静岡や鹿児島では、生産量を最大化するために三番茶までしっかり収穫し、加工用やペットボトル茶向けに活用する戦略を取ることが多いです。 収益か、品質か――農家の決断は常に悩ましい選択の連続です。
茶農家についてもっと詳しくなりたい方はこちらの記事もご覧ください。
茶農家 ~茶師と二人三脚で至極の一杯を届けるプロフェッショナル~
ブレンドの奥義 〜「絶妙なバランス」を生み出す職人技〜
お茶の味わいを決定づけるのは、単一の茶葉の品質だけではありません。実は「ブレンド技術」こそが、美味しいお茶を作る鍵となるのです。
例えば、茶師たちは「一番茶100%」にこだわるだけでなく、あえて二番茶をブレンドすることで、味に特徴を持たせることもあります。「一番茶だけだと繊細すぎる。口に含んだ時に少し強さを加えたい」そんなときに、わずかに二番茶を混ぜることで、甘みと渋みのバランスが絶妙な煎茶が生まれます。
しかし、高級な玉露や煎茶、そして抹茶では「一番茶100%」が当たり前です。その理由は、奥行きのある繊細な香りと甘味は一番茶でなければ表現できないからです。そうなると、一番茶100%が最良のように感じますが、例えば「熱いお湯で美味しいお茶を楽しむ」というニーズからブレンドについてトータル的考えると、一番茶だけだとコストが跳ね上がり、皆様が楽しめるお茶になりません。そこで二番茶を混ぜることでコストを抑えつつ、一番茶のみの単調な味わいにプラスαの要素を加えることで、ニーズに合わせた味わいとしての良さを作り出すことができます。このようなブレンドは、一番茶同士であっても成立します。味わいのバランスをとることで、単調さを避け、より魅力的な一杯を生み出すことが可能なのです。
一流の茶師とは、その年の天候や茶葉の出来を見極め、最適な配合比を導き出す職人。まさに“味の設計者”としての技を持つ存在なのです。
まとめ & 流芳園オススメの紹介
茶の収穫タイミングは、単なる「早い・遅い」の問題ではなく、農家の哲学や市場戦略、さらには気候変動の影響まで絡み合う、奥深いテーマです。
一番茶は最高の旨味を持ち、特別な一杯に最適ですが、二番茶や三番茶も用途によって価値を発揮します。
当店では、茶師が厳選した一番茶を中心に、最適なブレンド技術を駆使してお客様に最高の味わいをお届けしています。お茶の奥深さをぜひ味わいながら、自分にぴったりの一杯を見つけてください。
秘園の露(ひえんのつゆ)

丁寧に茶葉を手摘みすることで生まれた、
柔らかみのある舌触りと上品な旨味が特徴。
うっすらと乳白の濁りが感じられる水色は、
濃厚な旨味が凝縮されたもので玉露本来の深い甘みと余韻を感じていただけます。
茶種:玉露(手摘み玉露)【一番茶100%】
料金:3,240円 / 80g(税込)
甘露(かんろ)
新緑の香りを茶葉がそのまま包み込むように爽やかで、
良質な茶葉を厳選することで贅沢なコクを実現しています。
八十八夜(付近)に採れた茶葉で作っているため、
旬の味を堪能することができます。
老舗の名を刻んだ逸品、是非ご堪能あれ。

玉露本来の甘さと共に、果実のような香味がしっかりと口の中で感じられます。
また、玉露の芯の部分を贅沢に使用することで、
上品な香りと柔らかみのあるコクを合わせ持った贅沢な玉露となっています。
茶種:玉露【一番茶100%】
料金:2,160円 / 80g(税込)
流芳園(りゅうほうえん)

新緑の香りを茶葉がそのまま包み込むように爽やかで、
良質な茶葉を厳選することで贅沢なコクを実現しています。
八十八夜(付近)に採れた茶葉で作っているため、
旬の味を堪能することができます。
老舗の名を刻んだ逸品、是非ご堪能あれ。
茶種:煎茶(上級煎茶)【一番茶100%】
料金:1,620円 / 80g(税込)
→流芳園の購入はこちらから
煎茶 特撰【とくせん】

「特撰」は、目利きの技術を使用し、
品質の良い茶葉を見極めつつ、バランスの良いお茶を作っております。
また、目利きの技術以外にも、
ブレンドの技術と、仕上げの加工技術も使用しているため、
流芳園の技術の結晶とも呼べるお茶と言えるでしょう。
「特撰」は熱めのお湯でも美味しく淹れることができるため、
お茶に詳しくない方でも淹れやすいお茶となっております。
普段使いにもぴったりです。
茶種:煎茶【一番茶100%】
料金:1,080円 / 80g(税込)
素朴仕立 友白髪【ともしらが】

清涼感、抹茶のような香り、コクのある味、マイルドな味わいなど、
バランスが効いている茶葉になります。
初心者の方でも淹れやすいお茶になるので、
お茶を嗜んでみたいと思っている方にはとてもオススメの商品です。
茶種:素朴仕立(かぶせ茶)【一番茶100%】
料金:864円 / 80g(税込)
素朴仕立 稀頭【まれがしら】

黄色い煎茶で、お茶らしい清涼感のある香りと後味のすっきりさが特徴です。
初々しい露天栽培の生葉を収穫し、浅く蒸して製茶しております。
そのため、爽快な香りだけでなく、
煎茶としての旨味も同時に味わっていただける逸品となっております。
茶種:素朴仕立(煎茶)【一番茶100%】
料金:648円 / 80g(税込)
特上 雁が音焙じ(とくじょう かりがねほうじ)

厳選された上質な一番茶を100%使用しております。
雁が音(=白い茎)が濁りのない香ばしい香りを作り出し、
またコクと余韻の上品さを同時に味わって頂けることでしょう。
素材を最大限に活かした「浅煎り」焙煎となっています。
茶種:ほうじ茶【一番茶100%】
料金:704円 / 100g(税込)
雁が音焙じ【かりがねほうじ】

「浅煎り」焙煎の雁が音焙じは、
お客様やご自身のティータイムなどにはゆっくり急須で淹れて、
香りを堪能することもできます。
さらに、暑い夏や冷たいものを飲みたいときには急冷して楽しめます。
水出し茶にも向いていますので、冷ややかな味わいがお好みの方にもおすすめです。
毎日の水分補給にピッタリ!
茶種:ほうじ茶【一番茶100%】
料金:596円 / 100g(税込)
雲上の鶴【うんじょうのつる】

昔ながらの製法である、藁(ワラ)などで被覆することによって、
完成した碾茶(抹茶の原料)を使用。
そうしてできた抹茶の香りは特別で、宇治抹茶伝統の生産技術のひとつ。
濃茶・薄茶ともに使用できる商品であり、
それぞれの淹れ方により味や香りが変わる高級な逸品。
茶種:抹茶(お濃茶)【一番茶100%】
料金:2,808円 / 40g(税込)
鳳雲【ほううん】

希少な宇治田原産の手摘み碾茶もブレンドした、手摘み宇治碾茶100%使用。
宇治田原産をブレンドすることで香味に奥行きが加わり、
力強い香りとコクが出来上がります。
こちらも濃茶・薄茶ともに使っていただける品になっておりますので、
使い勝手の良いお抹茶となっています。
茶種:抹茶(お濃茶)【一番茶100%】
料金:2,268円 / 40g(税込)