お茶はコーヒーに負けたのか? 暮らしの変化から考える、日本茶のこれから
日本茶は、コーヒーに負けたのでしょうか。もちろん、今もペットボトルのお茶は広く飲まれていますし、家庭で急須を使う方もいます。それでも、朝の通勤途中や仕事の合間に選ばれる一杯としては、コーヒーの存在感が大きくなりました。私は、その理由がお茶の味にあるとは思っていません。かつて日本茶は、「日常茶飯事」という言葉が示すほど、説明しなくても暮らしの中にある飲み物でした。ところが生活様式が変わり、飲み物の選択肢が増えたとき、お茶は選び方や楽しみ方を十分に伝えられなかった。一方、コーヒーは現代人の生活に合わせて、商品、店、空間、言葉を変えていきました。お茶が負けたとすれば、味ではなく、暮らしへの入り方だったのではないか。今回は、そんな視点から日本茶の現在とこれからを考えてみます。