香りを仕立てる技術:焙煎・乾燥の奥義

こんにちは、流芳園(りゅうほうえん)です。

お茶の世界で「香り」は味と並ぶもう一つの大切な表現要素です。焙煎や乾燥の工程によって、茶葉が持つ本来の香りは引き立てられ、飲む人の五感を刺激します。今回は、茶師としての経験を通じて、お茶の香りをどう感じ取り、どう仕立てていくのか、その奥義について掘り下げていきます。

本記事から分かること

 ・香りに宿る、茶葉の個性とは?

 ・お茶の香りを、どう伝えていくか

 ・流芳園オススメのお茶の紹介

記事の信頼性

流芳園の店舗景観

・緑茶発祥の地 宇治田原に店舗

・創業200余年の日本茶専門店

・農林水産大臣賞を複数回受賞

香りに宿る、茶葉の個性

香りは、お茶にとって単なる副産物ではありません。原料の持つ力、育成環境、製造技術、それらすべてが織りなす表現の結晶です。どんな香りに出会い、どう評価するのかを整理してみましょう。


香りが際立つお茶の特徴とは

香りが「素晴らしい」と感じられるお茶は、品種や製法に関係なく多く存在します。

煎茶は、渋みと旨味が合わさることでフルーティーな香りが生まれます。この香りの構成要素は3つ、ミル芽と呼ばれる柔らく小さい芽の旨味、そして土壌から甘み成分を引き出すこと、さらに清涼感を持ったお茶ならではの渋み。玉露は、甘く濃いコクを感じる香りがあり、その香りはしっかりと施肥管理された茶畑に覆いをかけることで生まれます。あの香りは、まるで糖度の高い果物のようにも感じられます。抹茶は、抹茶の原料である碾茶(てんちゃ)を石臼で挽くことでサイズはミクロン単位となり、細やかに石臼の摩擦熱によって挽き上げられた抹茶だからこそ、あのような独特の香りを生み出すことができます。その魅力的なミクロンの香りは、近年の抹茶ブームの背景からも国内だけではなく世界中から注目されています。 また、ほうじ茶は、焙煎のタイミング次第で素晴らしい香りを放ちます。少し緑が残るようなほのかな爽やかさ、それとほうじ茶らしい透明感のある香ばしさを両立させることが我々の理想といえるかもしれません。

火入れと香りのバランス設計

お茶における焙煎という表現は、緑茶では一般的に「火入れ」「乾燥」と呼ばれます。ただし、実際の火加減によっては「焙煎」と言って差し支えない場合もあります。たとえばほうじ茶のように、焦がしのニュアンスが必要な場面では焙煎という言葉がしっくりきます。煎茶のようなさわやかで澄んだ味わいを求める場合でも、火入れの強弱を使い分けて、香ばしさや奥行きを演出することがあります。火の入れ方ひとつで香りは大きく変わり、ここには職人の感覚と技術が求められます。

茶師と職人の連携による香りづくり

香りの仕立てにおいては、茶師がプロデューサーのような役割を担い、職人が右腕となって実際の火入れや調整を担当します。茶師はお客様に届けたい香りや味を構想し、それを職人に伝えるわけですが、このやり取りはまるで暗号のようなもの。言葉では伝えきれない微細なニュアンスを、何年もの信頼と経験を通じて共有していきます。この土地、この茶工場ならではの香り——乾燥や火入れの最中に立ち上がる、甘い果実のような、こんがりとした匂い——は、現場を訪れた人だけが味わえる贅沢な体験でもあります。

お茶の香りを、どう伝えていくか

抹茶ほど明確にブームにはなっていない煎茶やほうじ茶ですが、実は香りの表現力という点で非常に大きなポテンシャルを持っています。特に水出しで抽出したときの香味は、わかりやすく、海外の人にも届きやすいと感じます。焙じ香を前面に出したほうじ茶や、清涼感のある玉露の冷茶などは、香りと味わいのバランスが良く、現代のライフスタイルにも適した提案が可能です。

抹茶人気と香りの再発見

最近の抹茶ブームにより、香りへの注目が高まっています。抹茶の原料である碾茶を石臼で挽くときに立ち上る香りは、摩擦によって生まれる繊細で複雑なものです。海外では抹茶ラテのように、ミルクと合わせて楽しむ文化が広がっており、抹茶特有の香りがより魅力的に感じられる場面も増えています。このように、味覚と組み合わせることで香りの訴求力を高めるアプローチも有効です。

煎茶やほうじ茶に宿る香りの力

抹茶ほど明確にブームにはなっていない煎茶やほうじ茶ですが、実は香りの表現力という点で非常に大きなポテンシャルを持っています。特に水出しで抽出したときの香味は、わかりやすく、海外の人にも届きやすいと感じます。焙じ香を前面に出したほうじ茶や、清涼感のある玉露の冷茶などは、香りと味わいのバランスが良く、現代のライフスタイルにも適した提案が可能です。

煎茶やほうじ茶についてはこちらの記事も参考にしてください。

【完全保存版】美味しい煎茶を淹れる方法を徹底解説
雁が音ほうじ茶を飲んでみよう!美味しい淹れ方も教えます!



香りの価値を伝えるということ

香りに価値を見出し、それを伝えていくには、我々の専門性だけでなく、時代の流れや流行にも耳を傾けることが欠かせません。市場で評価される香りには、単純に「良い香り」というだけでなく、その背景にある物語や演出が必要です。急須離れを想定して、ペットボトルから戻ってくれると期待していた時期もありましたが、現実は異なりました。一方、ティーバッグは手間と味のバランスから受け入れられやすく、香りを届ける手段としては今後も可能性があると感じています。

まとめ & 流芳園オススメの紹介

香りは、お茶の魅力を決定づける大きな要素です。流芳園では、火入れや乾燥の調整にこだわり、素材本来の香りを引き出す工夫を重ねています。焙じ感、甘い香味、清涼感——あなたの好みにぴったりの香りがきっと見つかります。オンラインショップでは、水出しに適した煎茶や香ばしいほうじ茶など、香りに注目した商品を取り揃えていますので、ぜひご覧ください。

流芳園(りゅうほうえん)

新緑の香りを茶葉がそのまま包み込むように爽やかで、
良質な茶葉を厳選することで贅沢なコクを実現しています。
八十八夜(付近)に採れた茶葉で作っているため、
旬の味を堪能することができます。
老舗の名を刻んだ逸品、是非ご堪能あれ。

茶種:煎茶(上級煎茶)【一番茶100%】
料金:1,620円 / 80g(税込)
流芳園の購入はこちらから

煎茶 特撰【とくせん】

流芳園の特撰

「特撰」は、目利きの技術を使用し、
品質の良い茶葉を見極めつつ、バランスの良いお茶を作っております。

また、目利きの技術以外にも、
ブレンドの技術と、仕上げの加工技術も使用しているため、
流芳園の技術の結晶とも呼べるお茶と言えるでしょう。


「特撰」は熱めのお湯でも美味しく淹れることができるため、
お茶に詳しくない方でも淹れやすいお茶となっております。
普段使いにもぴったりです。

茶種:煎茶【一番茶100%】
料金:1,080円 / 80g(税込)

特撰の購入はこちらから

素朴仕立 友白髪【ともしらが】

清涼感、抹茶のような香り、コクのある味、マイルドな味わいなど、
バランスが効いている茶葉になります。
初心者の方でも淹れやすいお茶になるので、
お茶を嗜んでみたいと思っている方にはとてもオススメの商品です。

茶種:素朴仕立(かぶせ茶)【一番茶100%】
料金:864円 / 80g(税込)

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素朴仕立 稀頭【まれがしら】

流芳園の稀頭

黄色い煎茶で、お茶らしい清涼感のある香りと後味のすっきりさが特徴です。
初々しい露天栽培の生葉を収穫し、浅く蒸して製茶しております。

そのため、爽快な香りだけでなく、
煎茶としての旨味も同時に味わっていただける逸品となっております。

茶種:素朴仕立(煎茶)【一番茶100%】
料金:648円 / 80g(税込)

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特上 雁が音焙じ(とくじょう かりがねほうじ)

流芳園の特上 雁が音焙じ茶

厳選された上質な一番茶を100%使用しております。
雁が音(=白い茎)が濁りのない香ばしい香りを作り出し、
またコクと余韻の上品さを同時に味わって頂けることでしょう。
素材を最大限に活かした「浅煎り」焙煎となっています。

茶種:ほうじ茶【一番茶100%】
料金:704円 / 100g(税込)

特上 雁が音焙じの購入はこちらから

雁が音焙じ【かりがねほうじ】

流芳園の雁が音焙じ

「浅煎り」焙煎の雁が音焙じは、
お客様やご自身のティータイムなどにはゆっくり急須で淹れて、
香りを堪能することもできます。

さらに、暑い夏や冷たいものを飲みたいときには急冷して楽しめます。
水出し茶にも向いていますので、冷ややかな味わいがお好みの方にもおすすめです。
毎日の水分補給にピッタリ!

茶種:ほうじ茶【一番茶100%】
料金:596円 / 100g(税込)

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雲上の鶴【うんじょうのつる】

流芳園の雲上の鶴

昔ながらの製法である、藁(ワラ)などで被覆することによって、
完成した碾茶(抹茶の原料)を使用。
そうしてできた抹茶の香りは特別で、宇治抹茶伝統の生産技術のひとつ。
濃茶・薄茶ともに使用できる商品であり、
それぞれの淹れ方により味や香りが変わる高級な逸品。

茶種:抹茶(お濃茶)【一番茶100%】
料金:3,942円 / 40g(税込)

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鳳雲【ほううん】

流芳園の鳳雲

希少な宇治田原産の手摘み碾茶もブレンドした、手摘み宇治碾茶100%使用。
宇治田原産をブレンドすることで香味に奥行きが加わり、
力強い香りとコクが出来上がります。
こちらも濃茶・薄茶ともに使っていただける品になっておりますので、
使い勝手の良いお抹茶となっています。

茶種:抹茶(お濃茶)【一番茶100%】
料金:3,240円 / 40g(税込)

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