こんにちは、流芳園(りゅうほうえん)です。
緑茶の代表例でもある煎茶。
普段使いもしやすく、香り、味わいともに好きな方も多いと思います。
実は煎茶を作るにあたって、
被覆煎茶・露地煎茶の2種類があることをご存知でしたでしょうか。
今回は、被覆煎茶・露地煎茶について紹介し、
それぞれの説明と、醸し出す味や香りについて詳しく説明していきます。
「被覆煎茶と露地煎茶って何?どう違うの?」
「それぞれどんな味や香りがするの?」
「被覆煎茶と露地煎茶の商品の見分け方は?」
今回はこういった疑問にお答えします。
☑本記事から分かること
・被覆煎茶について
・露地煎茶について
・被覆煎茶と露地煎茶の商品の見分け方
☑記事の信頼性
![流芳園の店舗景観](https://www.ryuhoen.co.jp/apps/note/wp-content/uploads/2022/09/ryuhoen.png)
・緑茶発祥の地 宇治田原に店舗
・創業200余年の日本茶専門店
・農林水産大臣賞を複数回受賞
被覆煎茶について
まずは被覆煎茶とは何かについて詳しく説明し、
味や香りの特徴についてもお伝えします。
被覆煎茶とは?
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被覆煎茶とは、
「爽やかな香り」と「旨味」をあわせ持った高品質な煎茶のことです。
玉露や抹茶をつくる際にも被覆はしますが、
その目的は「甘味」と「覆い香(抹茶のような香り)」を生み出すために
被覆栽培を行います。
煎茶では、爽やかな香りを残して旨味をのせるために被覆栽培を行うため、
玉露や抹茶で被覆する意味合いとは違いがあります。
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被覆することで葉っぱは、
柔らかさを保った状態で地中から肥料を吸い上げることができ、
旨味を調整することができます。
気候にも左右されますが、数日間、被覆することで、
爽やかな香りと旨味のバランスの良い煎茶をつくることができます。
被覆煎茶が醸し出す、味わいや香りは?
乾物からは、清涼感と共に酔ってしまいそうな旨味たっぷりの香り、
例えるなら、
旨甘いスイカやマスカットを連想するフルーティーな香りが感じられます。
そして、絶妙な旨みと渋みが合わさった上品な味わいを体感していただけるでしょう。
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茶葉は被覆することで柔らかい状態を保って養分の調整をすることができ、
土にどのような栄養を施すかが味わいの方向性を決める重要なポイント!
当園では風土と有機肥料などを巧みに扱った茶葉を目利きし、
茶農家と茶師(ブレンダー)、両方の宇治茶の技を存分に駆使した、
高品質な煎茶をお届けできるように努めております。
どんな人におすすめ?
・爽やかな香りと旨味を両方とも味わいたい方
・渋味や苦味が苦手な方
・宇治茶の深みを体感したい方
露地煎茶について
続いて、露地煎茶について説明していきます。
露地煎茶とは?
露地煎茶とは、大地の恵みを365日うけ、風土を活用し肥培や番茶刈りのタイミング、
そして、日々のきめ細やかな管理で味わいを調整し、
適期(芽の柔らかさを保った状態)に茶っ葉を摘み取ることで、
爽やかなお茶らしい味わいが楽しめる露天栽培の煎茶のことです。
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被覆煎茶とは違い、芽が出始めてからは気候に任せて適期を迎えることから、
芽の旨味と肥料の旨味が最適な状態を見極め、摘み取ることが重要です。
その地域の土質や気候が現れることから、
その産地ならではの味わいを楽しめるお茶といえるかもしれません。
露地煎茶が醸し出す、味わいや香りは?
爽やかな香りと渋み、そして露地煎茶ならではの旨味が味わいの特徴。
大地の恵みをたっぷりと吸収したお茶であり、最もシンプルな緑茶といえます。
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どんな人におすすめ?
・お茶の爽やかな香りが好きな方
・風土から感じるその土地にしかない香味を味わいたい方
・黄色っぽい水色で、渋みと旨味を楽しみたい方
被覆煎茶と露地煎茶の商品の見分け方
被覆煎茶と、露地煎茶について説明してきましたが、
飲み比べてみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、はたして販売されている煎茶商品の中から、
被覆煎茶と露地煎茶を見分けることはできるのでしょうか?
被覆煎茶と露地煎茶の商品は見分けれる?
一番わかりやすいのは、乾物の色味です。
どちらも緑色ではありますが、青黒く感じるのが被覆煎茶。
そして、少しグレーっぽいというか、灰色のような、
少し赤みを感じ、やや浅い色合いのものが露地煎茶です。
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味では、旨味が強く、香りも甘く感じるのが被覆煎茶。
逆に、爽やかな香りの中にお茶らしい渋みを
香りと味わいの両方から感じられるのが露地煎茶。
水色では、露地煎茶の方が少し、黄色っぽくなり、
被覆煎茶は、やや青み(緑っぽさ)を感じ、少し白濁したような濃度感を感じる、
といったイメージです。
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しかし、体感していただく方々の感覚で、
被覆煎茶と露地煎茶の別の違いを見つけていただけると思います。
そういったおもしろさもありますので、ぜひ「味比べ」してみていただきたいです。
価格に差はある?
我々がつくる煎茶は、『旨味』を基準に価格が構成されております。
それには、『若芽(ミル芽)』と『肥料から生まれる養分』の
二種類の旨味があります。
被覆煎茶は、『若芽(ミル芽)』と『肥料から生まれる養分』の旨味を調整し易く、
高品質な茶葉をつくり易い製茶方法ともいえます。
当園での上級品のイメージとしては、
香り・旨味・渋味の各パートのバランスが整っていること、
尚且つ『二種類の旨味』がしっかりと感じられることが重要です。
このことから、被覆煎茶の方が高価格帯のラインナップとして
ご案内させていただいております。
被覆煎茶と露地煎茶でおすすめの商品のご紹介
流芳園で販売している煎茶の中から、
被覆煎茶と、露地煎茶の商品をご紹介します。
オンラインだけでなく、お電話でも購入することができますので、
お気軽にお問い合わせくださいね。
被覆煎茶:流芳園【りゅうほうえん】
![流芳園の流芳園](https://www.ryuhoen.co.jp/apps/note/wp-content/uploads/2022/11/ryuhouen.jpg)
被覆煎茶である、流芳園。
新緑の香りを茶葉がそのまま包み込むように爽やかで、
良質な茶葉を厳選することで贅沢なコクを実現しています。
八十八夜(付近)に採れた茶葉で作っているため、旬の味を堪能することができます。
老舗の名を刻んだ逸品、是非ご堪能あれ。
茶種:煎茶
料金:1,620円 / 80g(税込)
被覆煎茶:特撰【とくせん】
![流芳園の特撰](https://www.ryuhoen.co.jp/apps/note/wp-content/uploads/2022/11/tokusen.jpg)
被覆煎茶である、特撰。
「特撰」は、目利きの技術を使用し、
品質の良い茶葉を見極めつつ、バランスの良いお茶を作っております。
また、目利きの技術以外にも、
ブレンドの技術と、仕上げの加工技術も使用しているため、
流芳園の技術の結晶とも呼べるお茶と言えるでしょう。
「特撰」は熱めのお湯でも美味しく淹れることができるため、
お茶に詳しくない方でも淹れやすいお茶となっております。
普段使いにもぴったりです。
茶種:煎茶
料金:1,080円 / 80g(税込)
露地煎茶:稀頭【まれがしら】
![流芳園の稀頭](https://www.ryuhoen.co.jp/apps/note/wp-content/uploads/2022/11/maregashira.jpg)
露地煎茶である、稀頭。
お茶らしい清涼感のある香りで後味すっきり、
黄色い水色(すいしょく)の「これぞ、宇治煎茶」といえます。
昔から地元茶農家ではこのようなお茶を愛飲していたと、
良質な味をお求めやすい価格で提案したいという想いから出来上がったお茶。
茶種:かりがね(煎茶)
料金:648円 / 80g(税込)
まとめ:お茶の奥深さを知れば、よりお茶が美味しくなる
いかがでしたでしょうか。
今回は被覆煎茶と露地煎茶についてご紹介しました。
普段から煎茶を飲んでいる方も、あまり煎茶を飲まない方も、
今回を機に煎茶が(より)好きになってくれると嬉しいです。
また、お茶がお客様の手元に届くまでの過程で、
どう栽培しているのか、どう加工しているのかを知ることで、
お茶の味わいもより深くなると思います。
美味しい煎茶の淹れ方についても以下記事で解説しておりますので、ぜひ参考に。