こんにちは、流芳園(りゅうほうえん)です。
ギフトなどで貰ったお茶が気づいたら、
保存期間(賞味期限)が過ぎていた経験を持っている方は多いのではないでしょうか。
そんな時にお茶を捨てていませんか。
実は保存期間の過ぎたお茶も”ある方法”を行えば、
美味しく飲むことが可能なのです。
今回は、保存期間(賞味期限)の過ぎたお茶の活用方法について紹介し、
一般的な茶葉の保存期間などについて詳しく説明していきます。
「一般的にお茶の保存期間(賞味期限)とはどれくらい?」
「保存期間の過ぎたお茶はどう変化するの?」
「保存期間の過ぎたお茶の活用方法とは?」
今回はこういった疑問にお答えします。
☑本記事から分かること
・一般的なお茶の保存期間(賞味期限)
・保存期間の過ぎたお茶の変化
・保存期間の過ぎたお茶を美味しく飲む活用方法
☑記事の信頼性
・緑茶発祥の地 宇治田原に店舗
・創業200余年の日本茶専門店
・農林水産大臣賞受賞
一般的なお茶の保存期間(賞味期限)
販売されている茶葉は、
一般的にどれくらいの保存期間を持っているのでしょうか。
また、茶種によっても保存期間が変わるのでしょうか。
お茶の保存期間
肉や魚に表示されているのが消費期限で、
お茶や海苔(のり)などの乾物、
そして焼き菓子などに表示されているのが賞味期限です。
ということで、茶葉には賞味期限が表示されております。
ほとんどの商品の賞味期限は、
簡単に説明すると、未開封であれば美味しく味わえる期間といえると思います。
当園の茶葉などの商品の賞味期限は、180日です。
お茶(茶葉)の場合は、一般的にも180~210日程度が多くみられ、
賞味期限一年と表示しているお店もあるかもしれません。
アルミ製茶袋
流芳園では茶袋はアルミ製茶袋を使用し、包装は窒素充填です。
アルミ製茶袋に茶葉を入れ、一度真空状態にし、
茶葉が入っているアルミ製茶袋の中の酸素をなくし、
窒素でみたす方法などを用いております。
窒素充填することで酸化防止ができます。
酸化防止することで鮮度を保つことができると考えております。
その上で、賞味期限180日の理由ですが、
カテキン、カフェイン、アミノ酸といった主要成分は、
常温で1年といった条件でも変化しないといわれ、
変化する成分としてはビタミンCです。
そのビタミンCと含水率を基に、
半年後、一年後と保存した煎茶の商品性を判断された資料がございます。
それには、窒素充填した茶葉を25°Cで保存し、
一年後のものでもビタミンCの値は許容値であったとされておりました。
しかし、同様の条件で窒素充填した茶葉を5°Cで保存した茶葉と比べて、
官能試験をすると変化が見られたことから、
半年であれば味わいの変化はほとんどないと考え、
当園では180日を賞味期限とさせていただいております。
別の見方では、(これは個人差もあると思われますが、)
実際に窒素充填をした茶葉を高温多湿・直射日光を避け、
1年間常温で保管した茶葉を単体で官能試験をした場合には、
そのお茶のイメージから味わいはそれほど大きな変化は感じられませんでした。
豆知識1 ※保存は冷凍庫が良い
おすすめの保存方法は、
アルミ製の茶袋に入った茶葉を(野菜などを入れる)、
ビニール製チャック付の袋に入れて、冷凍庫での保管がおすすめです。
チャック付の袋にいれることで他の食品の移り香の対策ができます。
注意点は、冷たい状態の茶葉を放置したときに水気を吸ってしまうことです。
豆知識2 ※茶缶に入っているアルミ製茶袋は取り出さないでそのまま使うのがベスト
茶缶に使われているアルミの袋は、捨てないでそのままご使用いただきたいです。
理由は、2つ酸化防止と光を避けられるからです。
茶缶は、紙缶でもブリキでも同様に考えてください。
上の画像(茶缶 例1-2)のようにアルミの袋のまま茶缶に入れ、
画像は蓋をしておりませんが蓋は必ずしめておいてください。
茶袋 例のようにアルミ製茶袋だけを使用して、
切り口をクリップなどで止めておく保存もおすすめです。
豆知識3 ※封を開けてから1カ月で飲み切る場合は、常温でOK
茶袋の封を開けてから1カ月で飲み切るのであれば、
上の「茶缶例1、茶缶例2、茶袋例」のような状態で常温保存で良いと思います。
茶種による保存期間の違い
特にはございません。
弊社では、全茶種の賞味期限を180日とさせていただいております。
ポイントは、ご使用になる頻度です。
他の飲み物と併用され、緑茶はご使用の頻度が低い場合には、
アルミ製茶袋に入れ、更にビニール製チャック付袋に入れ、
冷凍庫や冷蔵庫に入れていただくことをおすすめします。
また、ほうじ茶はしっかりと加熱しており水分も少ないことから劣化が鈍いというか、
味わいに変化がでにくいように感じます。
逆に、お抹茶は色味の変化が大きいです。
【気を付けたほうが良いお茶のイメージ】
抹茶>雁が音(茎茶)>煎茶>玄米茶>かぶせ茶>玉露>ほうじ茶
保存期間の過ぎたお茶の変化
では、保存期間が過ぎてしまった場合、どう変化するのでしょうか。
茶葉の様子
緑茶では、未開封であれば賞味期限を過ぎただけでは変化は少ないです。
しかし、保管場所が悪かったり、保管状態に問題がなくても賞味期限が切れ、
更に1年経ってしまっていたお茶についてのことを例にお話しさせていただきます。
一般的な茶葉には例1のように「どことなく緑を感じる黒っぽい針のような茶葉」や、
例2のように「少し緑が強いもの」などがございますが、傷むと赤みが加わります。
理由は、酸化するからです。
ですから、どことなく緑を感じる黒っぽい針のような茶葉であれば、
鮮度があるといえ、傷むと少し茶色い感じになります。
茶葉は、広げると緑色の葉っぱです。
それを細く針のように揉んで固めていますので、
どことなく緑を感じる黒っぽい針のような茶葉にみえます。
極端な話ですが、酸化が進むと茶葉は茶色く変化し、
丸まって重なっていることから色は濃くなりますので、
傷んだ茶葉は、茶色を感じる黒っぽい針のようにみえると考えられます。
しかし、お茶の場合は酸化が進んでいたとしても、
未開封であれば飲んでいただいてもお腹が痛くなったりする可能性は低いです。
古いお茶でも試しに一度飲んでみていただければ有難いです。
味わい
高品質な茶葉は、
「芽の若いもの※煎茶系」と「被覆の強いもの※玉露系」の2つです。
「芽の若いもの」であれば、鮮度が落ちて渋味などは少なくなって、
まろやかでクリアな味わいと滑らかな舌触りが感じられると思われます。
「被覆の強いもの※玉露系」でも、
鮮度が落ちて渋味などは少なくなり、酸味が強調されます。
しかし、渋味などが抑えられるので旨味は強調されます。
40°C程度まで湯さましをして入れていただくと、
酸味もそれほど気にならず旨味をはっきりとご確認いただけるはずです。
お口に合うかは、わかりかねますが一度お試しください。
低品質な茶葉では、渋味や苦味が味わいの構成要素と考えられますので、
まろやかにはなりますがあっさりした味わいとやや酸味が感じられるように思います。
香り
鮮度が落ちているはずですので、新鮮な青葉のような香りはなくなってしまいます。
逆に、業者では「枯れ臭」というのですが、茶葉が酸化した香りがでてきます。
この香は、玉露系の茶葉の方が強いことが多いです。
水色(すいしょく)
暖色系になる。オレンジ色系というのでしょうか、透明度や濃度は様々ですが、
酸化することで黄色や緑のお茶の水色が暖色系に変化します。
保存期間の過ぎたお茶を美味しく飲む活用方法
では、保存期間の過ぎたお茶の活用方法について紹介します。
お茶を捨てずに、ぜひ一度試してみてくださいね。
まずは、開封してあったり、未開封でも保管場所が悪い茶葉については、
美味しくないこと多いです。
しかし、保管状態に問題がなくても、
賞味期限が切れて更に1年経ってしまっていたお茶については、
一度ご試飲いただくことをおすすめします。
経験上、イメージの味とは少し違いますが問題ないことが多いです。
保存期間の過ぎたお茶の活用方法~その1
ほうじ茶にする、焙烙(ほうらく※素焼きの陶器)やフライパンで炒ります。
・弱火で、茶葉20g程度をできる限り満遍なく動かしながら、
こんがりと茶色くなるまで焼きます。(難易度:簡単)
・強火で、茶葉20g程度をササっとできる限り満遍なく素早く動かしながら、
こんがりと茶色くなるまで焼きます。(難易度:慣れが必要)
保存期間の過ぎたお茶の活用方法~その2
茶香炉(ちゃこうろ)用のお茶にして、香りを楽しむことができます。
※火事にはご注意ください
茶香炉は、茶葉4~6g程度載せることができます。
茶葉をのせ、ろうそくに火をつけ、香りが空間に漂ったら、ろうそくの火を消します。
そして、少し時間が経ったら、
茶葉の焦げていない場所を下(火の方へ)やるように混ぜ、もう一度火を付ける。
(※真ん中の下の部分が焦げやすいので加熱中に混ぜてもOKです)
これを程度に繰り返します。
※茶香炉(ちゃこうろ)とは、
上の画像のように陶器でできた香炉で中にろうそくに火をともして香りを楽しむ道具。
保存期間の過ぎたお茶の活用方法~その3
肥料にする。
茶葉は、非常に窒素成分が多いです。
また、お茶を飲まれた後の茶殻(茶かす)も生ごみにせず、肥料にできます。
茶殻にも養分がしっかりと残っており肥料に最適です。
家庭菜園などがございましたら、
少し穴を掘って土をかぶせておくと養分として分解されやすく、臭いも軽減されます。
ほうじ茶の美味しい淹れ方についてはこちらの記事を参考ください。
まとめ:保存期間が過ぎてもまだ大丈夫!
いかがでしたでしょうか。
今回は保存期間(賞味期限)の過ぎたお茶の活用方法について紹介しました。
ほうじ茶はカフェインレスであるため、
子どもや妊婦さんにもおすすめですので、ぜひ試してみてくださいね。