茶と短歌:詠まれた味覚、残された記憶

こんにちは、流芳園(りゅうほうえん)です。

「一杯のお茶が、心の風景を呼び覚ますことがある」——そんな経験、ありませんか?
日本人の暮らしとともにあった“茶”は、長い歴史の中で多くの歌人たちに詠まれてきました。短歌に詠まれた茶の味わいや情景は、今を生きる私たちに何を語りかけてくれるのでしょうか。今回は、茶と短歌の交わる場所から、味覚に刻まれた記憶を辿っていきます。

本記事から分かること

 ・短歌に詠まれた「茶」のかたちとは?

 ・味覚と記憶を結ぶ、一杯の詩情とは?

 ・流芳園オススメのお茶の紹介

記事の信頼性

流芳園の店舗景観

・緑茶発祥の地 宇治田原に店舗

・創業200余年の日本茶専門店

・農林水産大臣賞を複数回受賞

短歌に詠まれた「茶」のかたち

「茶をすする」という行為は、かつて日常と非日常の境界を揺らす時間でした。古くは貴族や僧侶たち、近世以降は庶民の中でも、お茶を味わいながら心を整える時間がありました。そして、その時間は、短歌というかたちで記憶されてきたのです。

『新古今和歌集』に見る、お茶の余韻

たとえば、『新古今和歌集』では、お茶そのものを直接詠んだ歌は多くないものの、静かな客人との時間や、香の余韻の中に佇む心を詠んだ作品があります。

さびしさは その色としも なかりけり
真木たつ山の 秋の夕暮れ(寂蓮)

これはお茶に直接触れているわけではありませんが、お茶をすする場の空気や、無言の気配が伝わる歌です。静寂の中にある“余韻”——それはまさに、旨味を残す日本茶の感覚と響き合うようです。

与謝野晶子と“濃い茶”の対話

近代に入ると、与謝野晶子は短歌の中で、生活の中の茶の味をより写実的に描きました。

うす茶たてゝ 君としばしも わすれめや
こころはつねに 波のまにまに

ここで詠まれている「うす茶」は抹茶の薄茶を指しますが、日常の中で交わす小さな茶の時間が、どれほど心に残るものかを示しています。晶子にとって、茶は単なる嗜好品ではなく、人との関係性を映す鏡だったのかもしれません。

庶民の暮らしに根ざす茶と歌

江戸後期から明治にかけて、茶は庶民の暮らしにも浸透しました。地方の俳諧や短歌の中にも、茶店や茶の間の描写が現れます。

茶を煮ては 子らにせがまれ ひとやすみ
縁側しずか 夏の夕風(作者不詳)

茶を通じて感じる家族の気配や、日常のなかにある幸福の瞬間。こうした歌には、“飲む”というより“生きる”ための茶が描かれているようです。


茶業者のトリビア:茶摘み唄について

茶摘み唄には、「お茶の摘み方を教えたもの」もあました、
ひとつ紹介させていただきます。

「お茶を摘むならョ 根葉からョ おつみ(ア イ ヨ)。下手なお方はョ うらなぐる(ア イ サそうだよ 根葉からヨ おつみ 下手なお方はヨ うらなぐる)」(音符図2-2)。
 類似の歌詞の歌は、静岡県内各地で歌われ、たとえば、下の句が「うら走る」、「上ばしる」、「根葉にゃ 芽もあるこくもある」など地域によって少し違う。また、三重県では「お茶を摘むなら 根葉から摘みやれ 根葉は芽もきく葉もたまる」。宇治では「お茶を摘むなら 下から摘みゃれ 上のずわい(新芽のこと)は 後で摘む」というように他県でもあった。〔茶大百科 – 農文協〕

「歌を口ずさむと気持ちが軽くなる」こともございます。茶摘みは、同じ作業の繰り返し、更に長期間行う重労働です。コツやポイントを歌にのせておくことも大切だったのかもかもしれません。

味覚と記憶を結ぶ、一杯の詩情とは?

お茶の味を口に含んだとき、ふと過去の情景が浮かぶことがあります。それは単に“味”を感じるだけでなく、温度、香り、音——五感を総動員して記憶と結びついているからでしょう。

短歌は、こうした五感の記憶を言葉で再構成する装置とも言えます。一首の中に閉じ込められた茶の気配を読み解くことで、読者自身の中にある「味の記憶」もそっと目を覚ますのです。

“今”を詠むなら、どんな茶を?

もし、私たちが現代の生活を短歌で詠むとしたら、どんなお茶が登場するでしょうか?
テレワークの合間に飲むほうじ茶、夕飯後にじっくり味わう玉露、あるいは子どもと一緒に飲む抹茶ラテ——そのどれもが、未来の誰かにとっての“心象風景”になり得るかもしれません。

茶はただ飲むだけではなく、言葉にならない気持ちをそっと包む存在。現代に生きる私たちもまた、一首の中にその気配を閉じ込めることができるのではないでしょうか。

お茶と詩が共鳴する未来へ

最近では、若い世代による“現代短歌”の中にも、飲み物としての茶が登場することが増えています。SNSで詠まれる日常短歌の中に、コンビニで買ったほうじ茶や、マイボトルの煎茶が何気なく登場する——そんな光景も、詠まれた味覚として、確かに未来へ残っていくのかもしれません。茶は文化であり、記憶であり、詩でもある。そう思える瞬間が、これからますます増えていきそうです。

まとめ & 流芳園オススメの紹介

お茶の香りや味わいが、時に記憶を呼び起こし、詩を生み、人生の情景を彩る。そんな力を持つのが、茶という存在です。

流芳園では、日々の暮らしの中に寄り添う煎茶・玉露・ほうじ茶を取り揃えています。一杯のお茶を手にしたその瞬間が、いつか誰かの心に残る“短歌のような記憶”になるかもしれません。今日の一杯が、明日の一句になりますように。

秘園の露(ひえんのつゆ)

流芳園の秘園の露

丁寧に茶葉を手摘みすることで生まれた、
柔らかみのある舌触りと上品な旨味が特徴。
うっすらと乳白の濁りが感じられる水色は、
濃厚な旨味が凝縮されたもので玉露本来の深い甘みと余韻を感じていただけます。

茶種:玉露(手摘み玉露)【一番茶100%】
料金:3,315円 / 66g(税込)

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甘露(かんろ)

新緑の香りを茶葉がそのまま包み込むように爽やかで、
良質な茶葉を厳選することで贅沢なコクを実現しています。
八十八夜(付近)に採れた茶葉で作っているため、
旬の味を堪能することができます。
老舗の名を刻んだ逸品、是非ご堪能あれ。

流芳園の甘露

玉露本来の甘さと共に、果実のような香味がしっかりと口の中で感じられます。
また、玉露の芯の部分を贅沢に使用することで、
上品な香りと柔らかみのあるコクを合わせ持った贅沢な玉露となっています。

茶種:玉露【一番茶100%】
料金:2,160円 / 80g(税込)

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流芳園(りゅうほうえん)

新緑の香りを茶葉がそのまま包み込むように爽やかで、
良質な茶葉を厳選することで贅沢なコクを実現しています。
八十八夜(付近)に採れた茶葉で作っているため、
旬の味を堪能することができます。
老舗の名を刻んだ逸品、是非ご堪能あれ。

茶種:煎茶(上級煎茶)【一番茶100%】
料金:1,620円 / 80g(税込)
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煎茶 特撰【とくせん】

流芳園の特撰

「特撰」は、目利きの技術を使用し、
品質の良い茶葉を見極めつつ、バランスの良いお茶を作っております。

また、目利きの技術以外にも、
ブレンドの技術と、仕上げの加工技術も使用しているため、
流芳園の技術の結晶とも呼べるお茶と言えるでしょう。


「特撰」は熱めのお湯でも美味しく淹れることができるため、
お茶に詳しくない方でも淹れやすいお茶となっております。
普段使いにもぴったりです。

茶種:煎茶【一番茶100%】
料金:1,080円 / 80g(税込)

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素朴仕立 友白髪【ともしらが】

清涼感、抹茶のような香り、コクのある味、マイルドな味わいなど、
バランスが効いている茶葉になります。
初心者の方でも淹れやすいお茶になるので、
お茶を嗜んでみたいと思っている方にはとてもオススメの商品です。

茶種:素朴仕立(かぶせ茶)【一番茶100%】
料金:864円 / 80g(税込)

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素朴仕立 稀頭【まれがしら】

流芳園の稀頭

黄色い煎茶で、お茶らしい清涼感のある香りと後味のすっきりさが特徴です。
初々しい露天栽培の生葉を収穫し、浅く蒸して製茶しております。

そのため、爽快な香りだけでなく、
煎茶としての旨味も同時に味わっていただける逸品となっております。

茶種:素朴仕立(煎茶)【一番茶100%】
料金:648円 / 80g(税込)

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特上 雁が音焙じ(とくじょう かりがねほうじ)

流芳園の特上 雁が音焙じ茶

厳選された上質な一番茶を100%使用しております。
雁が音(=白い茎)が濁りのない香ばしい香りを作り出し、
またコクと余韻の上品さを同時に味わって頂けることでしょう。
素材を最大限に活かした「浅煎り」焙煎となっています。

茶種:ほうじ茶【一番茶100%】
料金:704円 / 100g(税込)

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雁が音焙じ【かりがねほうじ】

流芳園の雁が音焙じ

「浅煎り」焙煎の雁が音焙じは、
お客様やご自身のティータイムなどにはゆっくり急須で淹れて、
香りを堪能することもできます。

さらに、暑い夏や冷たいものを飲みたいときには急冷して楽しめます。
水出し茶にも向いていますので、冷ややかな味わいがお好みの方にもおすすめです。
毎日の水分補給にピッタリ!

茶種:ほうじ茶【一番茶100%】
料金:596円 / 100g(税込)

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雲上の鶴【うんじょうのつる】

流芳園の雲上の鶴

昔ながらの製法である、藁(ワラ)などで被覆することによって、
完成した碾茶(抹茶の原料)を使用。
そうしてできた抹茶の香りは特別で、宇治抹茶伝統の生産技術のひとつ。
濃茶・薄茶ともに使用できる商品であり、
それぞれの淹れ方により味や香りが変わる高級な逸品。

茶種:抹茶(お濃茶)【一番茶100%】
料金:2,808円 / 40g(税込)

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鳳雲【ほううん】

流芳園の鳳雲

希少な宇治田原産の手摘み碾茶もブレンドした、手摘み宇治碾茶100%使用。
宇治田原産をブレンドすることで香味に奥行きが加わり、
力強い香りとコクが出来上がります。
こちらも濃茶・薄茶ともに使っていただける品になっておりますので、
使い勝手の良いお抹茶となっています。

茶種:抹茶(お濃茶)【一番茶100%】
料金:2,268円 / 40g(税込)

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